咀嚼力低下に緊急提言を紹介している健康ニュース2002年1月号です。
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咀嚼力低下に緊急提言

2002年1月の健康ニュース

昔から、結核や消化器伝染病など「病気は他人からうつる」のが普通でした。しかし、戦後半世紀の間に「他人へは移らない」生活習慣病が、現在の死亡原因の7割になりました。
今や、国民病ともいれるこれらの病気の蔓延は、日常生活での栄養・運動・休養などの選び方が、自分の死因を決める時代になったといえます。
グルメな飲食が生活習慣病の原因
「1億総グルメ」の傾向は、オリンピック(昭和39年)後の急速な経済成長による、家庭や生活の変化を背景にしています。
伝統的な和食から一転して、子供も大人もおいしい、軟らかい食事をお腹いっぱい食べる、飽食習慣・過栄養状態が生まれました。
グルメな飲食は、後述するように、よく噛めないために「食べ過ぎる」ので、過栄養・肥満の原因になります。

噛まない噛めない現代人
図1に示したように、調査では、現代人の咀嚼回数(1食当たり620回)は、弥生時代(3990回)の約6分の1、戦前和食(1420回)の2分の1以下に減少しています。
食材の物性、あるいは、「テクスチャー」(歯ざわりや噛み応え、固さといった面)を無視した現代グルメ食は、伝承的咀嚼習慣を消失させ、「噛まない」から「噛めない」小顎の若者を増やしました。
咀嚼力の低下は、歯列不正・虫歯・歯周病や、顎関節症等の歯科疾患だけでなく、生活習慣病の発生にも密接に関係しています。

「噛んで」肥満を防ぐ
食物を噛むと、歯や口腔から脳内に感覚が伝わり、満腹中枢が働いて、摂食量が抑制されます。
しかし、液体食をチューブで直接胃に注入した(噛まない)場合、この反応は起きません。また、よく噛むと、食物が消化・吸収される前に脳内ブドウ糖も上昇し、摂食中枢を抑制するとともに、満腹中枢を作動させます。
つまり、これらの肥満防止のメカニズムを働かせるスイッチが、「噛み応え」あるいは、よく噛むことであり、これらは自然が賦与した生活習慣病予防装置といえます。

「噛んで」若々しく
よく噛むことで、唾液が多く出ます。唾液は、胃や腸を丈夫にするばかりでなく、うれしいことに肌をきれいにしてくれます。
唾液の中にはEGFと呼ばれるホルモンがあり、肌の細胞分裂を増殖させ、肌をきれいに、若々しくしてくれるのです。唾液の多い赤ちゃんの肌が、すべすべしているのを見てもおわかりでしょう。
このように、噛むことは大変重要なことです。
よく噛まない人は、それこそ、食べ物を口に入れて3〜5回ほど噛んだら、すぐに飲み込んでしまうと思われます。よく噛む人と噛まない人では、10年、15年の間では、あらゆる面で差が出てくることは間違いありません。

「噛んで」ぼけ防止
痴呆症の進行による口腔機能の低下や、高齢者の知能障害の改善に、歯科治療が臨床的にも科学的にも極めて有効であることが、報告されています。
特殊な手法で、咀嚼がヒト脳の特定神経細胞を活性化すること、老化促進マウスの噛み合わせ状態が、初期知能障害と密接に関係すること、などが明らかになりました。
写真はラットの脳で、脳を活性化させる遺伝子(c-fos遺伝子)が摂食行動により、活発になり、増えている(青・黄・赤の順に活性化が進行)ことを示しています。
また、自律神経・内臓機能・ホルモン分泌等に関係する視床下部や、満腹中枢(白矢印の部分)などが、広範な領域で活動していることが証明されました。

ひみこのはがいーぜ
咀嚼することによる効果を、わかりやすく表現しています。
肥満防止(生活習慣病予防)
味覚を敏感にする
言葉をはっきりさせる
脳の活性化(ぼけ防止)
歯を丈夫にする
がん予防(唾液ペルオキシダーゼ作用)
胃腸を丈夫にする
全力投球(運動機能の向上)などを意味しています。
 
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