噛むことは生きる基本!/を紹介している健康ニュース2008年11月号です。
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噛むことは生きる基本!

2008年12月の健康ニュース
食べ物を「噛む」、咀嚼(そしゃく)という日常的な行為が、実は脳の発達や病気の予防にも深く関わっていることがわかってきています。
咀嚼とは、食べ物を唾液と混ぜながら細かく噛み砕き、飲み込みやすくする過程をいいます。その動作は非常に精巧・複雑で、その神経回路は、生命の維持に不可欠な呼吸や血液循環などと同様に、脳幹にプログラムされています。つまり、咀嚼は「生きる基本」といってよい動作なのです。


 咀嚼の多彩な効用
よく噛むと唾液の分泌が盛んになります。唾液には、虫歯や歯周病の予防、抗菌作用、口腔粘膜の傷の修復などをはじめ、活性酸素や、食物中の発がん物質の発がん性を大幅に抑える働きなどがあることもわかっています。(図1)





こうした私たちの健康を守る唾液の働きに加えて、よく噛むことには、多くの効用があります。その一つが、肥満の防止です。
よく噛むと脳の「脳内ヒスタミン神経系」が刺激され、食欲が抑制されると同時に、内臓脂肪の分解と体熱産生を促進することがわかっています。
また、良く噛めば、食事によって上昇する血糖値を下げる作用があり、糖尿病の予防的効果があります。ちなみに、唾液の分泌を促進してインスリンと同じようなホルモンを増やし、糖尿病の治療効果を向上させます。
また、脳の活性化にも大きく寄与します。よく、脳の老化抑制には指や腕を動かすと良い、といわれますが、口腔には、鋭敏な皮膚感覚や味覚などの特別な感覚があり、咀嚼により、そうした感覚刺激が脳に伝えられ、脳を活性化させるのです。(図2)





植物人間化した寝たきり状態の人に、物を噛む訓練をさせたところ、脳の網様体を刺激して意識を回復し、社会復帰を果たした症例も報告されています。
さらに、さまざまな病気の予防に役立つこともあげられます。よく噛むことで、ウイルスを直接攻撃するNK細胞を増やしたり、骨粗しょう症に予防的効果があることなども報告されています。


 減る咀嚼回数 縮む顎
弥生時代の日本では、白米より硬いひえ・あわなどの雑穀などを主食としていたため、一食あたりの咀嚼回数は約4千回もありました。
しかし、その後、調理や食品加工の技術が発達し、食べやすい物が多くなるとともに咀嚼回数は減ってきました。現代では、軟らかく手間をかけずに食べられる、いわゆるファーストフードが主になり、咀嚼回数は弥生時代の約6分の1、戦前と比べても半分以下と、大幅に減少しています。(図3)





噛む回数が少なくなったために筋肉を使わなくなり、骨の発育が抑えられ、どんどん顎や顔が小さくなってきています。
顎が小さくなると、上下の歯が生えるスペースが小さくなり、下を後方へ押しやり、睡眠時無呼吸症や睡眠障害を起こしやすくします。


 1口で30回以上噛む!
あごを鍛え、十分な唾液の分泌を促すには、1口で30回(約30秒)以上よく噛むことが大切です。
柔らかいファーストフード類はなるべく控え、硬めの歯ごたえのある物を含めた家庭食を食べるようにするとよいでしょう。
また、子供の成長・発育にとって食事環境も大切です。
家族で食卓を囲み咀嚼することは、脳の報酬系を刺激し、安心感・安全感を得ますので、コミュニケーション能力を養うことができます。
多くの動物は、噛めなくなる=命が終わることを意味します。「咀嚼」の重要性と「食べる」ことの正しいあり方を見直すことが、健康長寿の秘訣となるでしょう。
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